ゆ①:雄弁は銀

 沈黙が金で雄弁が銀という格言が書かれているのはトマス・カーライルの『衣装哲学』らしいが、アマゾンのほしいものリストに長いあいだ入ったままで購入できずにいる。

 この格言は、ずっと黙ったままでいろというわけではなく、然るべき時にはお口チャックしておいた方がいいこともあるぞ、というくらいの意味らしい(*1)。まあ、それはそうだろうと否定はしないし、ごもっともと拍手で迎えるわけでもない。

 けれどもあえて食ってかかるならば、雄弁の銀でもって金字塔を打ち立ててみせようぞ、という言葉遊びを思いつく。

 が、きっと今は然るべき時だったろうから、このようなことは飲み込んで黙っていた方がよかったに違いない。

 

    (*2)

 

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*1:オザケンの『ローラースケートパーク』に「ありとあらゆる言葉を知って何も言えなくなるなんてそんな馬鹿な過ちはしないのさ」という歌詞があるのを思いだす。言わんとすることは違うけれども。

 

*2:空白でもって沈黙を試みる、ということを書かずにはいられない銀どまり。いやいや、これも甲でなくって乙。羽生三冠も銀将が好きだって言うじゃない。

 

    2017年8月12日(土)